緑のたぬきファン、CM考察好き、そして“都市伝説”ファンにも刺さる一本が登場した。2025年9月、東洋水産は突如として「緑のたぬき月見そば化計画の全貌」篇を公開。動画には「Mr.都市伝説」の肩書を持つ関暁夫さんが出演し、まるで陰謀論を語るかのように、なぜ緑のたぬきが月見商戦に参入するのかを“計画”的視点で説いていく。
このCMは単なる商品のプロモーションを超え、「なぜ今?」「どうして月見?」という疑問を視聴者に投げかけてくる。広告手法としてはミステリアスな語り口を用い、意図的に“信じるか信じないか”という関さんの決め台詞を使うことで、視聴者に主体性を与える形をとっている。
以下では、このCMの基本情報、制作背景、演出のポイントなどを整理して紹介していこう。
CMハイライト
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
CMタイトル | 「緑のたぬき月見そば化計画の全貌」篇 |
出演 | 関暁夫(Mr.都市伝説) |
掲載開始日 | 2025年9月22日(Web CM 公開日) |
目的 | 緑のたぬきの月見商戦参入を物語的に訴求し、話題性を高める |
制作クレジット | 企画制作:東急エージェンシー、シースリーフィルム |
プロモーション企画 | オリジナルグッズが当たる X(旧Twitter)キャンペーン(“#緑のたぬき月見そば化計画”) |
キーメッセージ | 「信じるか信じないかはあなた次第です」 — 関暁夫の語り口を最大限に活かす演出 |
特徴・演出手法 | ミステリーチックなナラティブ形式/“計画”という語彙の使用/視聴者参加型の疑問提示 |
ストーリーテリング戦略:なぜ“都市伝説”の語り口を借りたか
「緑のたぬき月見そば化計画の全貌」篇では、Mr.都市伝説・関暁夫さんの代名詞である“都市伝説の語り”をそのまま広告手法に転用している。
一般的なカップ麺CMが「おいしさ」「手軽さ」を訴求するのに対し、このCMは「なぜ緑のたぬきが月見そばを出すのか?」という陰謀めいた物語構造を提示。
視聴者がその“理由”を想像する余地を残すことで、ブランドの存在感を一段と強く印象づけている。
広告としては一見突飛に思えるが、関暁夫さんの“信じるか信じないかはあなた次第”というフレーズが、商品のキャッチコピーを超えて「ブランドを語る装置」として機能しているのが面白い。
数字の演出:45周年と「月」「45億年」に込めた仕掛け(出典:アドタイ)
このCMは、緑のたぬき発売45周年という節目に合わせて企画された。
広告内では「月見」「45億年」「進化」など、宇宙的なスケールの言葉が散りばめられ、周年記念をただの記録で終わらせず、**“時間の神話化”**という手法でブランドの長寿を語っている。
「月」と「45億年」というキーワードは、地球の誕生や人類の進化を連想させ、そこに“緑のたぬき”という身近な食品を重ねることで、日常と宇宙の境界をぼかす。
アドタイの記事でも、「単なる周年告知ではなく、“永続するブランド”としての象徴化を狙った」と分析されている。
キャンペーンとの連動:グッズ抽選とSNSの拡散戦略
テレビCMと同時に、特設サイトやSNSキャンペーンも展開。
X(旧Twitter)では、ハッシュタグ「#緑のたぬき月見そば化計画」をつけて投稿すると、抽選で限定コラボTシャツや関暁夫さんサイン入りポスターが当たる仕組みになっている。
さらに、特設ページでは「調査報告書風」のPDFや“極秘計画”を模したグラフィックも公開され、視聴者が物語の一員になれる仕掛けが盛り込まれている。
広告というよりも、ARG(代替現実ゲーム)風の体験型プロモーションに近い構成で、SNS上でも「本当に政府の陰謀っぽい(笑)」といったコメントが多く見られた。

実際の反響:ネット上の反応と話題性
SNS上では公開直後から話題となり、X(旧Twitter)では
「これ、CMなのに本気で都市伝説風にしてて草」
「緑のたぬき45周年を“陰謀”で祝う発想が天才的」
「信じるか信じないかは、もう買うしかない」
といったコメントが多数投稿された。
YouTube公式チャンネルのコメント欄でも、「商品より関さんの語りが印象に残った」「これで緑のたぬき買いたくなった」といった声が目立ち、話題喚起型CMとして高い成功を収めたことがうかがえる。